雑感等

音楽,数学,語学,その他に関するメモを記す.

不変測度(不変密度)がフロベニウス=ペロン方程式を満たすことの証明

文献[1]でロジスティック写像リアプノフ指数を解析的に求めるために,不変測度とフロベニウス=ペロン方程式について述べていた.

  • ロジスティック写像 x_{n+1}=f(x_n)=4 x_{n} (1-x_{n})

以下では不変測度とフロベニウス=ペロン方程式の詳細についてまとめる.

不変測度(不変密度)がフロベニウス=ペロン方程式を満たすことの証明

  • 不変測度: \rho(x)=\lim_{T \rightarrow \infty} {\frac{1}{T} \sum^{T-1}_{n=0} {\delta (x-x_{n})}}
  • フロベニウス=ペロン方程式: \rho(x)= \int d\xi \delta (x - f(\xi)) \rho (\xi)
  • フロベニウス=ペロン方程式に不変測度を代入する.

 \rho(x)= \int d\xi \delta (x - f(\xi)) \{ \lim_{T \rightarrow \infty} {\frac{1}{T} \sum^{T-1}_{n=0} {\delta (\xi-x_{n})}} \}

  \int d\xi \delta (\xi - f(\xi))は極限の Tに依存しないから,  \int d\xi \delta (x - f(\xi))を移動する.
 \rho(x)= \lim_{T \rightarrow \infty} \frac{1}{T} \int d\xi \delta (x - f(\xi))   \sum^{T-1}_{n=0} {\delta (\xi-x_{n})}

  • 積分と総和の順番を変える.

 \rho(x)= \lim_{T \rightarrow \infty} \frac{1}{T}  \sum^{T-1}_{n=0} \int d\xi \delta (x - f(\xi))   \delta (\xi-x_{n})

 \rho(x)= \lim_{T \rightarrow \infty} \frac{1}{T}  \sum^{T-1}_{n=0} \delta (x - f(x_{n}))

  •  x_{n+1}=f(x_n)を用いる.

 \rho(x)= \lim_{T \rightarrow \infty} \frac{1}{T}  \sum^{T-1}_{n=0} \delta (x - x_{n+1})

上式までの変形から, x_nで表される不変測度 \rho (x)をフロベニウス=ペロン方程式に代入すると,不変測度 \rho (x) x_{n+1}で表されることが示される.

 x_n=x_{n+1}が成立しなければ不変測度 \rho (x)をフロベニウス=ペロン方程式を満たさない.不変測度 \rho (x)をフロベニウス=ペロン方程式を満たすためには, x_nが「定常状態」であれば良い.

  • 従って x_n=x_{n+1}が成立すると仮定する.

 \rho(x)= \lim_{T \rightarrow \infty} \frac{1}{T}  \sum^{T-1}_{n=0} \delta (x - x_{n})

以上から,不変測度(不変密度)がフロベニウス=ペロン方程式に対して不変であることを示した.

不変測度(不変密度)

文献[2]では,「軌道上の状態 xが微小区間 [  x, x+dx ]に滞在する割合が \rho (x) dxと表させるとき, \rho (x)を不変密度(invariant density)という.」と述べている.

文献[1], [2]ではエルゴード仮説が正しいと仮定して,時間平均と統計平均(アンサンブル平均)とが等しいと仮定している.

  • 関数 h (x)の時間平均: \lim_{T \rightarrow \infty} {\frac{1}{T} \sum^{T-1}_{n=0} {h( x_n )} }
  • 関数 h (x)の統計平均:  < h > = \int {\rho (x) h (x) dx}

フロベニウス=ペロン方程式

文献[2]では,おおよそ次のように説明している.

初期時刻において滑らかな確率密度関数 \rho_0従う無数の初期点を写像 x_{n+1}=f(x)で発展させる.このとき時刻 nにおいて微小区間 [  x, x+dx ]に存在する点の割合が \rho_n (x) dxと表されるとする.この \rho_n (x)の時間発展は以下のフロベニウス=ペロン方程式に従う.

  • フロベニウス=ペロン方程式: \rho_{n}=\int \rho_n (y) \delta \{ x-f(y) \} dy

さらに同書には,「ここで右辺は,時刻 n確率密度関数 \rho_n (y)に従って分布する状態点 yのうち
写像 fにより新たな状態点 x= f(y)に移される点のみを集めたものが,時刻 n+1における状態 xの密度 \rho_{n+1} (y)を与えることを意味している.」と示されている.

文献

[1] 中川匡弘: カオス・フラクタル感性情報工学. 日刊工業新聞社, 2010.
[2] 中尾裕也ほか: ネットワーク・カオス―非線形ダイナミクス複雑系と情報ネットワーク. コロナ社, 2018.

Windows10 April Update 2018(バージョン1803)アップデート失敗時の対応

アップデート失敗により発生した問題

下記のような問題が発生した.

  • 「C:\Windows\System32\config\Systemprofile\Desktopは利用できない場所を参照しています。このコンピュータのハードドライブ上、 ...」と表示される.
  • タスクバーの色やデスクトップ背景が黒くなり,タスクバー位置が下(デフォルトの配置)になる.
  • スタートボタン(Windowsボタン)やタスクバーが機能しない.
    • 一部の設定画面にアクセスできない
  • Winキー+Rで「ファイル名を指定して実行」から「explorer」を起動しようとしても「存在しないトークンを参照しようとしました」などと表示され「explorer」が起動しない.
  • キーボード配列が英語キーボードになる.

最終的な対応:インストールメディアによる修復セットアップ(上書きインストール)

上書きインストールではOSのみを上書きし,OSの修復を試みる.
よって,ユーザがインストールしたプログラムやユーザが作成したファイルは削除されない.

手順

  1. Windows 10 のダウンロードから「ツールを今すぐダウンロード」をクリックし,「MediaCreationTool」をダウンロードした.
  2. 別PCで「MediaCreationTool」を実行した.下記のページが示す手順に沿った.windowsfaq.net
    • 内容が消えてもよいUSBメモリ(16GB)にインストールメディアを使った.
  3. 問題のPC上で,USBメモリのルートフォルダ内「setup.exe」を実行した.下記のページが示す手順に沿った.windowsfaq.net
    • セーフモードでは上書きインストールできないと表示されたため,普通に起動してsetup.exeを実行した.
    • USBメモリを差し込んでも認識しなかったため後述の方法でUSBメモリにアクセスした.
  4. 上書きインストール終了後,自身のアカウントにログインし,正常に動作することを確認した.

USBメモリを差し込んでも認識しない問題:mountvolコマンドでディスクをマウント

USBメモリを差し込んでから,cmd上で「a:」から[z:]まで実行しても,
インストールメディアが入ったUSBメモリにアクセスできなかった.
しかし,デバイスマネージャーでは,目的のUSBメモリの項目と思われるものが表示されていた.

下記ページを参考に,USBメモリをマウントし,ドライブレターを割り当てようと試みた.
Windowsコマンド集:(mountvol)

オプションなしで「mountvol」を実行すると「\\?\Volume{~~}\」が羅列されるが,
どれが目的のUSBメモリに対応するのかがわからなかった.
そのため,今回はドライブレターを割り当てられていないすべての「\\?\Volume{~~}\」に
ドライブレターを割り当てた.
各ドライブレターを参照してdirコマンド実行し,setup.exeが含まれる目的のUSBメモリにアクセスできたことを確認した.

※すべての「\\?\Volume{~~}\」にドライブレターを割り当てた場合,
ユーザのアクセスを想定していないドライブ(OS再インストール用のファイルが入ったドライブなど)にも
アクセスできるようになる場合があるが,そういったドライブは「mountvol (該当ドライブレター):\ \d」を実行し,
即座にアンマウントしたほうがよいと思われる.

白色点の色度(Y=100で正規化)

D65光源の色度はITU-R BT.709-6 (06/2015)を参照した.

CIE L*a*b*, CIE L*u*v*を計算する際は,
Y=100に正規化された白色点のXYZ三刺激値を用いる.

光源 x y X Y Z
D65 0.3127 0.3290 31270/329 100 35830/329
E 1/3 1/3 100 100 100

XYZデータとsRGBデータの相互変換

JIS X 9204 高精細カラーディジタル標準画像(XYZ/SCID)を参照した.
逆行列等の計算は十進BASIC Version 7.8.3の有理数モードを使用した.

変数

8ビットに符号化されたsRGBのコード値:
0\leq R_{\rm 8bit} ,\,G_{\rm 8bit} ,\, B_{\rm 8bit} \leq 255
sRGB値:
0\leq R_{\rm sRGB} ,\,G_{\rm sRGB} ,\, B_{\rm sRGB} \leq 1
CIE 1931 XYZ 三刺激値(相対値):
0\leq X,\,Y,\,Z \leq 1

XYZの絶対的な三刺激値を求めるには,上記のX, Y, Z値をそれぞれ80倍する.
"80"という数値はsRGBの白色点の輝度が 80\,cd/m^{3}であることによる.
https://www.w3.org/Graphics/Color/srgb

 R_{\rm 8bit} ,\,G_{\rm 8bit} ,\, B_{\rm 8bit} \rightarrow X,\,Y,\,Z


f_{\rm 8bit\rightarrow sRGB} (Q)=
\left\{ \begin{array}{ll}
    (Q/255)/12.92 & (Q \leq 0.04045\times 255) \\
    ((Q/255+0.055)/1.055)^{2.4} & (otherwise)
  \end{array} \right.
として

R_{\rm sRGB}=f_{\rm 8bit\rightarrow sRGB} \left(R_{\rm 8bit} \right) \\
G_{\rm sRGB}=f_{\rm 8bit\rightarrow sRGB} \left(G_{\rm 8bit} \right) \\
B_{\rm sRGB}=f_{\rm 8bit\rightarrow sRGB} \left(B_{\rm 8bit} \right) \\


\left[
\begin{array}{c}
 X \\ Y \\ Z 
\end{array}
\right]=

\left[
\begin{array}{ccc}
0.4124  & 0.3576  & 0.1805 \\
0.2126  &  0.7152  &  0.0722 \\
0.0193 & 0.1192 & 0.9505
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{c}
R_{\rm sRGB} \\ G_{\rm sRGB} \\ B_{\rm sRGB}
\end{array}
\right]

 X,\,Y,\,Z \rightarrow R_{\rm 8bit} ,\,G_{\rm 8bit} ,\, B_{\rm 8bit}


\left[
\begin{array}{c}
R_{\rm sRGB} \\ G_{\rm sRGB} \\ B_{\rm sRGB}
\end{array}
\right] =

\left[
\begin{array}{ccc}
28154000/8687829 & -13355000/8687829  & -1444000/2895943    \\
 -418089250/431495507 &  1618760625/862991014   & 17914625/431495507  \\
484000/8687829  & -1772500/8687829   & 3061000/2895943
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{c}
X \\ Y \\ Z
\end{array}
\right]
ここで,

f_{\rm sRGB \rightarrow 8bit} (Q)=
\left\{ \begin{array}{ll}
    255 \times 12.92 \times Q & (Q \leq 0.04045/12.92) \\
    255 \, (1.055\,Q^{1/2.4}-0.055) & (otherwise)
  \end{array} \right.
として

R_{\rm 8bit}=f_{\rm 8bit\rightarrow sRGB} \left(R_{\rm sRGB} \right) \\
G_{\rm 8bit}=f_{\rm 8bit\rightarrow sRGB} \left(G_{\rm sRGB} \right) \\
B_{\rm 8bit}=f_{\rm 8bit\rightarrow sRGB} \left(B_{\rm sRGB} \right) \\

XYZ表色系におけるCIE 1931 RGB原刺激の値

十進BASIC Version 7.8.3において有理数モードを使用して分数表記に直し,
JIS Z 8781-1に示される等色関数のXYZ値を線形補間して求める.

CIE 1931 RGBの原刺激は,
[R]: 700 nm
[G]: 546.1 nm
[B]: 435.8 nm
と定められる.

[R]のXYZ値:

\left[
\begin{array}{c}
 X \\ Y \\ Z 
\end{array}
\right]=
\left[
\begin{array}{c}
 283979/25000000 \\ 2051/500000  \\ 0
\end{array}
\right]=
\left[
\begin{array}{c}
0.01135916   \\  0.004102000 \\ 0.000000000000
\end{array}
\right]

[G]のXYZ値:

\left[
\begin{array}{c}
 X \\ Y \\ Z 
\end{array}
\right]=
\left[
\begin{array}{c}
37553947/100000000  \\ 49221249/50000000   \\ 2441339/200000000
\end{array}
\right]=
\left[
\begin{array}{c}
0.3755395  \\  0.9844250 \\ 0.01220670
\end{array}
\right]

[B]のXYZ値:

\left[
\begin{array}{c}
 X \\ Y \\ Z 
\end{array}
\right]=
\left[
\begin{array}{c}
 4164763/12500000  \\ 277717/15625000   \\ 2577681/1562500
\end{array}
\right]=
\left[
\begin{array}{c}
0.3331810  \\ 0.01777389  \\ 1.6497158
\end{array}
\right]

CIE 1931 RGBとXYZの変換

JIS Z 8781-1, p. 5に記載の数値を用いる.
十進BASIC Version 7.8.3において有理数モードを使用して分数表記に直し,逆行列を計算した.
その後行列の積 - 高精度計算サイトを使用して
変換行列と逆変換行列との積が単位行列になることを確認した.


\left[
\begin{array}{c}
 X \\ Y \\ Z 
\end{array}
\right]=

\left[
\begin{array}{ccc}
692223/250000  & 437937/250000  & 14127/12500  \\
250005519/250000000  &  28691937/6250000  &15017001/250000000 \\
0 & 14127/250000  & 1398573/250000
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{c}
 R \\ G \\ B
\end{array}
\right]


\left[
\begin{array}{c}
 R \\ G \\ B
\end{array}
\right] =

\left[
\begin{array}{ccc}
 23652050/56522127 & -152450000/960876159 & -79592350/960876159   \\
 -1717650/18840709  &  80850000/320292053  & 15092650/960876159  \\
 17350/18840709  & -2450000/960876159   & 57202550/320292053 
\end{array}
\right]
\left[
\begin{array}{c}
X \\ Y \\ Z
\end{array}
\right]

minicondaで環境作成とパッケージインストールに失敗する場合(Windows 10)

  • OS: Windows 10
  • プロキシサーバ経由でネット接続
  1. minicondaで環境作成に失敗した.
    1. cmdから"conda create -n py36 python=3.6"を実行した結果urlopen error [WinError 10060]が出る.
  2. 対処:proxy設定(.condarcファイルを作成)して,proxy設定が有効なpython環境下で実行していることを確認する.
  3. conda環境下(activation py36実行後)のcmdで"conda install jupyter"を実行してPermissionErrorが出る.
    1. 対処:cmdを管理者権限で実行する.pycharm上のコンソールから実行すると失敗する?