文献
- 伊藤和夫. “Chapter 4 what節”. 英文解釈教室. 改訂版, 研究社, 1997, p.69-92.
疑問詞"what"は単語単体の意味として,
話し手が断定できないモヤモヤした「モノ」を意味すると考えた.
ここで,この「モノ」とは,話し手の主観として,
- 存在が認識できる
- 不定性を含む
ようなものだとする.
"what"には次のような「様態の不定性」を指す用法がある.
- 疑問代名詞 "What is this?"
これは,「モノ」が何かを問うている.
- 関係代名詞 "I have no words for what I then saw."
この文では,「モノ」を先に示し(what),それから「モノ」の詳細(I then saw)を示している.
一方,「様態の不定性」とはいいがたい用法もある.
- 関係形容詞 "They robbed him of what little money he had."
この用法における"what"は,all the"の意味を含むことを文献が示す.
この場合に,上に示す「様態の不定性」が転じ,
「数量・範囲の不定性」を示すようになり,
さらに,「考えうるものすべて」を示すようになったと考えてみる.
すると,関係形容詞の用法を受け入れやすいのではないかと考える.