雑感等

音楽,数学,語学,その他に関するメモを記す.

12音と群論

ガロア理論の頂を踏む』を読んで,思い付きでやってみた.

12音:C, Cis, D, ...をそれぞれ0, 1, 2, ...と対応させる.
(ここではC=0としているが,Cis=0やD=0としても変わらない.つまり,移調してよい.)

加法に関する群

C=0から半音ずつ,12回上ると,Cに戻る.(\cong C_{12}:位数12の巡回群
これは12の剰余類(\boldsymbol{Z}/12\boldsymbol{Z})で,加法に関して群をなす.

乗法に関する群

(\boldsymbol{Z}/12\boldsymbol{Z})はそのままでは積に関して群をなさない.
そこで既約剰余類群(\boldsymbol{Z}/12\boldsymbol{Z})^{*}を考える.

(\boldsymbol{Z}/12\boldsymbol{Z})^{*}=\{\overline{k} | gcd(k,12)=1, 1 \leq k \leq 12-1 \}=\{\overline{1},\overline{5},\overline{7},\overline{11}\}

\{1,5 \equiv -7 (mod 12),7,11 \equiv -1 (mod 12)\}は,
C=0に対して,{半音上,完全四度上≡完全五度下,完全五度上,長七度上≡半音下}となる.
これは,エドモン=コステールの「親和性」に出てくる音度に含まれる(「親和性」ではこれに加え,完全一度と完全八度がある).